進行具合で変わる虫歯の治療

進行するほど時間と費用がかかる

虫歯は虫歯菌が出す酸によってエナメル質が溶け、そこからう蝕(虫歯)が始まる状態のことで歯科用語ではカリエスと呼ばれます。
治療が必要となるのはC1からC3までで、C4まで進行してしまうと抜歯の対象になると考えてよいでしょう。
C1の時はレジン充填と呼ばれる治療が主で、削って詰めるだけの簡単な処置で終わります。
C2の場合は虫歯がエナメル質の下で広がっていることがありますので、う蝕部分を取り除いて歯型を採り、金属を作って詰めることになります。


この場合は歯型を採取して金属が出来上がるまで1週間前後かかりますので、一度で終わりというわけにはいきません。

金属の大きさによって診療費が変わる

削って歯型を採る処置は同じでも、詰める金属の大きさによって診療費は変わってきます。
詰め物のIn(インレー)には単と複があり、う蝕部分が小さなインレーは単、大きなものは複となります。
当然大きな方が作製する時に多くの金属を使いますので、加算される診療点数が上がり治療費も高くなります。
インレー単は主に咬合面だけのう蝕に対する詰め物で、インレー複は歯と歯の間の隣接面にもう蝕が進んでいる場合です。
さらに歯の頬側及び舌側にもう蝕が広がっている場合は、4/5冠(5分の4冠)と呼ばれるOn(オンレー)で修復する必要が出てきます。
オンレーになると歯のほとんどを金属で占めることになるため、治療費はさらに上がってしまいます。

神経を取るか残すかの瀬戸際

C3にまでう蝕が進行すると、エナメル質の下にある象牙質の一部に広がっていることがあります。
象牙質の中には歯髄と呼ばれる神経や血管が通っている管があり、う蝕がその部分に接していれば神経を抜かなくてはなりません。
しかしう蝕部分を取り除き何とか神経の露出を免れた場合は、神経を保護する覆罩(ふくとう)という処置を施し、セメントを詰めて硬化させます。
そして最低でも2週間は様子をみて、痛みが出なかったら再度形成をして歯型を採ります。
歯は神経を取ると弾力を失い、枯れ木のようになってしまうため、神経は極力保存できる方が良いのです。
覆罩の処置では殺菌作用のあるお薬を塗布し、セメントで神経と金属の詰め物との距離を取って歯型を採り、接着剤で合着します。
徐々に体が神経との距離を広げるよう修復していきますので、金属を入れた直後は噛むと痛みがあったり、熱いものや冷たいものが凍みることがありますが、段々と症状が消えていくのが通常です。